早春のくじゅうにてのんびり温泉三昧キャンプ

九州の中央部に位置し、1700m級の山々が連なるくじゅう連山は、豊かな自然と初心者から上級者まで楽しめる多彩なコースで、全国的にも知られた人気のハイキングスポット。
2026年3月上旬に熊本の「かたるの森キャンプ場」で開催された、「TFS CAMPING DAY in 九州」に参加するため九州へ遠征した、笈川と鈴木。せっかく九州まで行くなら色々と楽しみたいよね、ということで、イベントに先立ち、くじゅうに立ち寄って、坊ガツルで1泊キャンプをしてきました。


朝の9時にTFSオーナーのワンさん一行と登山口に集合する予定になっていたんですが、予定時間になってもワンさんたちは現れず若干遅れるようだったので、山へ入る前に近くの観光スポットへ時間潰しに。
独特の火山地形で形成された「阿蘇くじゅう国立公園」は、絶景を楽しめる展望ポイントが多数あり、登山をしなくとも一度は訪れる価値のある場所。
登山口近くを車で走っていると、阿蘇山を一望できる絶好のロケーションに、キッチンカースタイルに改装された一台のエコノラインを発見。埼玉と大阪から熊本に移住してきたという若い夫婦が営むドーナツ屋で、ハンドドリップのコーヒーとドーナツをいただきました。
本来の予定とは違う行程で面白いものに出会える、というのもまた旅の醍醐味。
Drive-in DONUT @drive_in_donut


くつろいでいるとTFSチームから大幅に到着が遅れる、との連絡が入ったため、LOGチームはやむなく先に入山するために、長者原ビジターセンターへと向かうことに。やまなみハイウェイを走っていると見えてくる山々の見事な景色に、入山前から期待に胸が膨らみます。
長者原にはビジターセンターの他にも、トイレや靴洗い場、カフェや食事処、さらには温泉やアウトドア用品店もあり、とても施設が充実しています。さすが人気の観光・登山スポットだけありますね。


長者原を出発してすぐのところにあるタデ原湿原を抜けて、特徴的な火口の形をした三俣山の脇をかすめながら進んでいきます。目的地である坊ガツルとタデ原湿原は、共にラムサール条約に登録されている、貴重な湿原。
出発時間が遅れて昼過ぎになってしまい、それに伴って我々のテンションも若干下がってしまったので、この日はもう山は登らないことにしてただのキャンプに変更!
ということで片道2時間ほどの短いコースをゆるゆると歩いていきます。


長者原から坊ガツルまでは樹林帯がメインのルートで、気持ち良い木漏れ日の中を進んでいきます。3月上旬でしたが、好天に恵まれ長袖だと暑いぐらいの気候でした。
途中撮影などしながら、ちょうど2時間ほど歩いたところで見えてきました。
坊ガツルキャンプ場。
ピークでなくとも目的地に着くというのはテンションが上がるものですね。

盆地状になった湿原にあるキャンプ場で、あたりはミヤマキリシマが乱れ咲くらしい平治岳や、紅葉登山で人気の大船山など九州屈指の人気の山々に囲まれています。
あいにくどちらも時期ではありませんが、それでも見応えは充分。冬なので虫もいなく天気も良好で、快適なキャンプ日和。


閑散期の3月の平日ということもあり、広いキャンプ場で我々以外の利用者はわずか2名。ほぼ貸切状態で、どこでも張り放題のフィールドにテントを設営していきます。
笈川はPre Tents新作のWings。とにかく素早く設営できる一方、シングルウォールの部分が結露しやすいという欠点があるので、湿度が低い冬季は特におすすめです。
私は冬はずっとお世話になりっぱなしのBorderを設営。軽くて広くてダブルウォールで安心なので、寒がりの私にはピッタリ。
あ、参考までに坊ガツルキャンプ場は予約不要で利用料は無料です。そんなに綺麗ではありませんがトイレはあります。

あたたかい日差しに包まれながら、フィールドで過ごす贅沢な時間。設営に追われたり何かと忙しなくなりがちなキャンプですが、設営後にカメラも置いて何もせず、ただのんびりしている時が、最も幸せな気分を感じられる時間です。

山に登らないことに決めて特にやることもないので、設営が終わり落ち着いたところで早々とお風呂へ。
坊ガツルキャンプ場から温泉がある法華院温泉山荘までは、歩いて10分ほどの距離。遠いと言えば遠いですが、心待ちにしていた入浴タイムのためとあらば苦になりません。

法華院温泉山荘の全景。大型の立派な施設です。さすが車でアクセスできる環境は充実してますね。(利用者は徒歩アクセスのみ)

山荘へ宿泊する方は無料でお風呂に入れますが、テント泊の場合、1回800円で入浴できて、時間は20時までです(受付は19時半)。
ちなみに使用料はかかりますが、山荘のトイレの方がキャンプ場より綺麗です。

受付後、我慢できずにまずは一杯やる笈川。このために歩いてきている、と言っても過言ではない彼。ちなみに自販機もあって、缶ビールは1缶350円という安さで満足げでした。ヘリや歩荷さんしかアクセスできない山荘だと、そんな安さありえないですからね。

小屋も利用者はほとんどいないようで、お風呂は完全貸切でした。たった2時間とはいえ、歩いた後に山で天然温泉のお風呂に入れるなんて気分はサイコー! ありがたや、温泉天国大分県!
もちろんシャワーなどなくお湯に浸かるだけですが、それでも充分満足です。


お風呂を出てテントに戻ってくつろいでいると、もうまもなく日没になろうかというタイミングで、やっとTFSチームが到着。
ワンさんの友人2名とTFSのカメラマンも同行していて、新作SolitaryとSkylineの別カラーバージョンなどを設営していました。
すぐに暗くなり寝にきただけという感じでこの日はあまり交流できませんでしたが、迷うことなくなんとか合流できてよかった。

2日目は昼頃から雨の予報で、しかも午後にはイベント会場へ行かなければならないので、早々に撤収。名残惜しいですが、坊ガツルに別れを告げて帰路につきます。

なかなかの強風で霧が濃く、視界も良くない中、行きとは反対側から三俣山をぐるっと回り込む周回ルートにて、そそくさと下山。

下山後は、長者原の近くにある寒の地獄温泉へ。
前日に法華院温泉で入浴したばかりですが、江戸時代からはじまったと言われている、14度の冷泉が売りの由緒ある温浴施設、となればそれは行くしかないでしょ、ということで連日の温泉巡り。
1泊しかせず、山頂に行ってもいないのに、お風呂は2回も。
なかなかまったりな山歩きです。

ちなみにこちらの寒の地獄温泉は、日本秘湯を守る会の施設。
これまでに日本秘湯を守る会の温泉は何ヶ所か行きましたが、どこもノスタルジーを感じる趣のある施設ばかりで、この提灯を見るだけでテンションがあがってしまうんですよね。
キャンプ場や山もいいけど、各地の名湯を巡る旅、というのもなかなか面白そう。
Text: SU