ABOUT

 

「Camp 3.0」

 

世間では"キャンプブーム"と騒がれているが、所詮ブームとは一過性のものでしかない。
キャンプがブームで終わらず、ライフスタイルのひとつとして定着していくには、キャンパーはもちろん、キャンプ&アウトドア業界全体がもう一歩先へ進んでいく必要がある。

  

日本国内におけるキャンプシーンは1980年代から1990年代にかけて大きな盛り上がりをみせた。バブル崩壊後も4WD車は根強い人気を誇り、後にSUVと呼ばれるようなアウトドアヴィークルが人気を博した。こうした車両を所有するオーナーたちが中心となり、自然とオートキャンプも広まっていった。バブル期の贅沢な夜遊びから、世の中全体が健康的かつ低予算で遊べるキャンプに傾注していったのである。これを"第一次ブーム"と呼ぶのであれば、現在は四半世紀ぶりに訪れた第二次ブームということになる。

 

冒頭の言葉通り、現在のアウトドアシーンにおける盛り上がりを今後もしっかりと根付かせていくには、一時的なブームで終わらせないためのさらなる進化が求められる。キャンパーのマナー啓蒙などは、今後より一層社会から改善が求められるポイントとなるだろう。
業界全体の事業環境にも課題は多い。平日はガラガラなのに週末になると過度に混み合うキャンプ場は、経営的にも難しい課題を抱えている。用品メーカーだけが儲かるだけでは、決して業界の安定的な成長はなし得ないのである。

 

このようにまだまだ多くの課題を抱えるキャンプ&アウトドア業界に、新しい潮流が生まれ始めている。そのひとつが、ガレージブランドの先駆けとして、数多くのファンを抱える「neru design works」と、横浜を拠点に人と人とを繋ぐコミュニケーションスポットとして人気の高い「TARPtoTARP」が新たに立ち上げた「LOG(ログ)」である。
2021年春から始動したこのプロジェクトは、単なるショッピングサイトでもなく、コンテンツ配信を目的にしたWEBメディアでも無い。「ヒト」「モノ」「コト」のすべてを網羅し、主宰者と利用者が一緒になって歩んでいくためのプラットフォームである。

 

ビジネスの現場で「プラットフォーム」といえば、事業の基幹となる仕組みを指すことが多いが、ここではあえて鉄道におけるプラットフォームを想像して欲しい。「ヒト」や「モノ」が絶えず行き交うために必要となるのがプラットフォームだ。ヒトによっては通過点でもあり、終着点にもなる。つまり先へ進むために必要な場所がプラットフォームであり、「LOG」が目指すべきポジションでもある。
「LOG」は、WEBサイトにおける情報発信やオリジナル商品の販売からスタートするが、ネット環境だけに留まらず、リアルでの活動も計画されている。テーマそのものもキャンプだけに限らず、「自然」「ライフスタイル」をテーマにより幅広く展開していく予定だ。

 

次なるステップへと進化するために「LOG」は生まれた。それは前へ進むために必要とされる第一歩であり、キャンプがブームからライフスタイルへと変わるために必要とされる、用件のひとつにもなるだろう。

 

2021年5月
著者:

Cal Magazine編集長

Camp Goods Magazine編集長

秋元 一利 氏