neru mag vol.35「シュラフ。」

ども、随分ご無沙汰してしまったネルマガです。

3月から7月まで休みなく、ひたすらイベントに出ていたのでネルマガ書くのをサボってました。。

何故そんなにイベントに出てたのかは、あらためてお話しますが復帰第一便は新しい商品のお話です。

 

 

今NANGAさんにお願いしてシュラフを作ってもらってます。

で、せっかく作るなら単なる色別注じゃ面白くないということで、少し仕様を変更してもらいました。

 

シュラフもテントもそうですが、山に登って使うのと、キャンプで使うのとでは、本来必要とされる特性が違うのですが、作る側としては、専用商品というのは案外作りにくいんですよね。どちらか専用にした時点で対象市場は狭くなるので。

 

でもうちはそんなことお構いナシ。今回はキャンプで使うシュラフに特化して考えてみました。

 

キャンプに慣れてくると、皆さんシュラフの下に敷くマットの重要性に気がつくと思います。寝心地も暖かさもマットで大きく変わるので、大部分の人はマットを使っているはず。

一方でシュラフの背中側のダウンは、寝心地や暖かさにどのくらい貢献してくれているのかというと、個人的には貢献してくれてる実感はほとんどナシ。

そりゃそうですよね。

寝たらダウンぺったんこですもん。

地面の凸凹が痛いし、ダウンの間の空気層もなくなるので保温もできない。

だったら、背中は寝袋に頼らず、マットに頼った方が実用的。

 

という訳で、背中側はダウンを入れず中綿のみにしてもらいました。

それなら掛け布団型でいいんじゃないかとか、背中側は中綿もいらないんじゃないかという声が聞こえてきそうですが、保温性はやっぱり密閉されてる方が高いので従来のマミー型一択。

 

デメリットとしとは、ダウンを中綿にしたので、その分だけ嵩張ります。つまり収納サイズと重量が少しだけ大きくなります。

と言っても背中の部分だけなんですが。。

一方で、従来背中側にあったダウンは、表側に持ってきてますので、同じダウン量の従来型シュラフと比べると体感として温かいはず。

 

それから、キャンプで使うならちょっと気になるのが見た目。

最近カッコイイなと思わせてくれるシュラフが随分増えましたが、今回はシンプルに色味にこだわってみました。

CAVEもそうですが、生地で色を表現するのってなかなか難しいんです。カラーチップでコレと決めてもイメージがちょっと違う。

で、今回トライしてみたのが、薄い生地を2枚重ねて微妙でシブい色合いを表現すること。

ナンガの最高峰シリーズであるLEVEL8 で採用されている10Dリサイクルナイロンシレ撥水加工生地の乳白色の生地を表側に配して、内側にブラックの生地を重ねてみました。

 

ちなみによく見る10Dという表示は糸の太さ(重さ)を表してます。Dはデニールという単位で、糸9,000mで重量が1gなら1D(デニール)。10Dなら9,000mで10gの糸ということですね。

10Dリサイクルナイロン生地と書いてあったら、9,000mで10gの太さ(重さ)の糸を使って作った生地ということになります。

気をつけないといけないのは、生地の厚み=糸の細さじゃないという点です。そりゃそうですよね。細い糸を使っても厚い生地作れますからね。

あ、あと最近はD(デニール)ではなくT(デシテックス)と表示される場合もあります。考え方は同じですが微妙に単位が違います。10T(デシテックス)であれば、10,000mで重量が10gを表します。

多分、分かりやすいようにT(デシテックス)という単位を新しく作ったけど、昔ながらのD(デニール)が使われてるという感じだと思います。

サラリーマン時代を思い出して、ついつい繊維ネタが止まらなくなってしまいました…スミマセン。

 

話を元に戻します。

10Dというのは結構細い部類の糸なので、この糸を使えば生地はもちろん薄く軽くできる訳です。

今回採用した生地はナンガの最高峰シリーズであるLEVEL8にも採用されている生地ですが、非常に薄くて乳白色の生地は薄っすら透けて見えます。

なので、これの下に黒い生地を重ねれば、グレーっぽくもあり、シルバーっぽい微妙でシブい色になるんじゃないかなと。

こういう色味の出し方は、単純に生地を染めただけだと表現できない色味なんです。

 

こちらもデメリットは生地を二重にしてるので、その分嵩張るし重くなりますが、薄い生地2枚分なので、大きな差はありません。

一方で、生地を二重にした分、単純に保温性は上がっているのではないかと思います。

もちろん、ダウンはUDD(Ultra Dry Down)。

通常、ダウンは水に濡れると保温性が低下してしまうので、シュラフの生地に防水性を持たせるか、ダウン自体に撥水性を持たせるのが一般的です。

今回は見た目にもこだわりたかったので、微妙な表現ができる薄い生地(防水性がない)を採用したので、ダウンは撥水性のあるUDD一択。

 

ダウンの量は色々悩みましたが、最終的に450gにしました。

NANGAさんの表記だと、例えば ”オーロラライト600DX”ならダウンの量は600g。もちろんこのダウンの量は多いほど暖かいです。

では、ダウン量450gはどのくらい暖かいのかというと、NANGAさんのUDD BAG 450DXはHPによると快適使用温度1度/下限温度-4度です。位置付けとしては3シーズン用。

今回の別注品は、背中のダウンを前側に詰め込んでいるのと、生地を二重にしているので、UDD BAG 450DXより暖かいんじゃないかなと思います。

 

もちろん大は小を兼ねるじゃないですが、ダウンがたくさん入っているに越したことはないのですが、どうしても価格が高くなってしまいます。。

厳冬期はちょっと厳しいと思いますが、テントの中は外より暖かいし、neruのインナーシュラフを併用すれば、冬でも使えるであろうギリギリ、且つ、出来るだけ価格を抑えたいという視点でダウン量を450gにしました。

 

今回仕様変更した2点について、実際にフィールドテストしたいのですが、あいにく夏真っ盛り。

暑くてテストできません…笑

なので数字的な根拠はないのですが、機能的にも見た目的にも面白いチャレンジじゃないかなと思います。

 

価格は63,000円(税抜)くらいで11月発売予定です。

NANGAさんのUDD BAG 630DXが50,000円(税抜)で、UDD BAG 450DXが40,000円(税抜)なので、どうしても若干割高ではありますが、どうせやるならちょっとでも新しいことをやってみたいので仕方なし。

 

という訳ですので、今シーズンシュラフを買おうか悩んでいる方は早まらずにじっくりお待ちください!

 

Author : neru