折れたポールの修理方法と折れにくくするための対策

意外と簡単で費用も安く収まるポールの修理

僕らLOGは、2023年6月から中国のテントメーカー「The Free Spirits」の代理店をさせてもらっていることもあり、テントの修理に関するお問い合わせをよくいただくようになりました。中でも多いのが、「テントのポールが曲がって(折れて)しまったため、ポールのみ購入できませんか」というもの。

もちろん「The Free Spirits」と「Pre tents」の全てのラインナップ(一部廃盤商品を除く)をポールのみで追加購入はできますが、基本的にポール1本丸々での購入というのは受け付けておらず、曲がってしまった節のみの販売とさせていただいております。 

 

というのも、ポールが曲がってしまった時、使えなくなっているのは曲がってしまった1節か、せいぜい連なっている2〜3節で、それ以外の節については全く問題なく使うことができるからです。それなのに、使えるパーツも含め丸々1本破棄してしまう、というのは非常にもったいないですよね。

ちなみに1節の販売であれば価格はかかってもせいぜい2〜3,000円程度(送料別)で、1本丸々の場合はその10倍近くになるため、コストの点から見てもメリットがありますよ。節の交換作業も、やり方さえわかってしまえばとても簡単。

どうしても、とご相談いただければポール丸々1本での販売も受け付けなくはないですが、せっかくのお気に入りのテントならメンテナンス方法を覚えて長く付き合ってあげて欲しいですね。

 

ポール修理の手順

節単位で購入した場合、節の入れ替え作業はご自身でおこなう必要があります。破損してしまった方は、下記の手順を参考に節の入れ替えをおこなってみてください。

 

ポールのエンドキャップを外す

まずは、折れている節に近い方のポール先端のエンドキャップというパーツを外します。ポールの両端にあるエンドキャップは、伸縮性のあるショックコードで繋がっていて、コードのテンションがかかることによってバラけないようになっているわけですね。

グロメットにポールの先端を差し込むタイプのテントの場合は、大抵この構造になっています。ねじって外すものが多いですが、引っ張るだけで外れるものもあります。

 

ポールの節を順番に取り外す

エンドキャップを引き抜いたら、結び付けられているショックコードを外して、折れているところまで節を取り外していきます。端の結び目が引っかかってうまくポールが抜けないことがあるので、その場合は結び目を解いてください。

手を離すとゴムの力でショックコードが縮んでポールが一気にバラけてしまうため、ショックコードをしっかり持って離さないように注意。

また、両端以外の節は同じものが多いですが、ものによっては元々湾曲している節や長さが異なる節が含まれているタイプもあります。そういったポールの場合は順番が入れ替わると構造が変わってしまうので、順番を間違えないよう節の並び順を把握しておきましょう。

 

折れた節を新しい節と入れ替える

折れている節を取り除き、新しい節と入れ替えます。

あとは、分解した時の逆の手順で元に戻していくだけです。

 

ショックコードに節を通していく

ショックコードを長めに引き出して、弾力で戻ってしまわないようにしっかりと根本を手で押さえながら、節を通していきます。

 

ショックコードをエンドキャップに結ぶ

全ての節を通し終わったら、ショックコードの端をエンドキャップのループ部分に結び付けます。

 

エンドキャップをポールにはめる

最後に、外したエンドキャップをポールの端にねじ込んで元に戻せば作業完了。

いかがでしょうか、とても簡単ですよね。

 

ポールの曲がりや破損を軽減するには

この通り、折れたポールの交換作業はさほど難しくはありませんが、できれば折れずに使い続けられるに越したことはないですよね。

ということで、この項目ではポールの破損を軽減する方法を紹介します。

 

ポールの繋ぎ目をしっかり差し込む

ポールは先端を数センチほど差し込んで連結していきますが、この差し込みが甘く隙間が空いていると、剛性が弱くなり連結部分が破損してしまうことがあります。隙間ができないようにしっかり差し込みましょう。

スリーブを通す時にポールを押し引きしていると、その拍子に隙間ができてしまうことがあるので注意してください。

 

強風時の設営を避ける

最もポールの破損につながりやすいのがこのパターン。設営時、不意に強風でテントが煽られ、その拍子にポールが曲がってしまった、というお問い合わせを多くいただきます。

 

ポールがしっかり組み上がっていない状態ではテント本来の剛性が発揮されないため、想定外の力がポールにかかり曲がってしまったりします。

多少風があるなと感じる時は、ポールを組み上げる前に風上側の1〜2箇所をペグダウンして、設営途中に風でテントが飛ばされないようにしましょう。

強風の時は無理に設営せず、風が収まるのを待ったり、時には設営をしない、という判断も必要です。

 

ガイラインをしっかり張る

手間がかかるので端折られがちなガイラインのペグダウンですが、ガイラインにはテントに想定外の力がかかった時にテントへの負担を軽減してくれる、という大事な役割があります。悪天候が予想される際には、全てのガイラインをしっかりペグダウンしておいてください。

また、ガイラインはとにかく強く張ればいいというわけではなく、テンションを掛けすぎず緩すぎず、全てのガイラインに均等にテンションが掛かるように張るのがポイントです。

 

ポールを無理矢理押し込まない

ポールがしっかりスリーブを通っていないままグロメットに入れようとすると、無理な力がかかって曲がってしまうことがあります。スリーブをしっかり手繰ってポールを通してから、グロメットに差し込むようにしましょう。

 

 

「The Free Spirits」と「Pre tents」のテントはしっかりしたスペックの高品質なテントですが、過酷な自然環境の中で使うもの、という特性上、どうしても破損してしまうことがあります。

テントのポールが曲がってしまうのはごく当たり前のことなので、メンテナンスの一環としてポールの修理方法をぜひ覚えておいてください。

 

Author : akt